MOD紹介

クエストmod紹介 The Wheels of Lull

ドラゴンをトーマスに置き換える衝撃の世界観ぶち壊しmodを世に送り出したTrainwiz氏が製作総指揮、完全に世界観に沿いつつマニアックで頭おかしいクエストmod― modとは、ロアとは、という問いに根底から揺らぎにかける―

それがThe Wheels of Lull

本編はフルボイスで、高品質な日本語訳もある。説明文の訳を読んで意味がわからなかったら、正常だ。でも、これがロアフレンドリーなんだ…

ロアというのは伝承という意味で、ロアフレンドリーは「世界観に沿っている」という意味です。ロアフレンドリーじゃないと認めなくて、わざわざ非難するコメント書く原理主義的な人を「ロアモンガー」と言ったりします。個人的には各人の自由で世界観ぶち壊しを楽しむのもよし、世界観に忠実に沿うのもよしです。

解釈の幅が広く、カスタマイズしやすいのがTESの醍醐味とも言えます。ロアではないみたいなコメントに過剰に反応したり、鼻からロアを知る気もなくバカにしたり攻撃したりも…

さて、このThe Wheels of Lullの素晴らしい点は世界観に沿う楽しさ、深淵さを体感できることにあります。実際のところ公式が一番頭おかしいのを味わえます。

このTES世界の歴史について、あれこれ想像したり、開拓していくことはなんと楽しいことだろうか、そういう面白さがあります。

と同時に世界観に沿わないで趣味全開にする楽しさも同時に味わえます。鉄道好きすぎるだろう

このクエストmodは裏のメインストーリーとも言える内容になっています。コリジョン等でやや粗い部分もありますがダンジョンはギミック満載、サイドクエストも含めてボリュームも十分にあります。

ぜひTESのロアの世界、Tranwiz氏の狂気の世界を楽しんでください!

The Wheels of Lullの詰まりポイント

ダンジョンでは各エリアごとにセーブ推奨。
霊体化と旋風の疾走があれば楽かもしれない。

ストーンホール鉱山の深部に到達できない

中央の広い浅瀬のある場所とは別のエリアの隅っこにレバーがある。それぞれ2つ。起動すると中央の広いエリアである変化が。床が抜けて道が歩けない等はコンソールのtclを使おう。

釘が打てない

バイザーを身につけるとラリアン・ソナーというパワー(魔法)が追加されるのでそれでライトセーバーみたいな光っている細い棒をスキャンする。近くに土台が出てくるので、アクティベートすると釘が立つ。このあともらったハンマーで完了が出るまで数回殴る。ウィンターホールドのは宝石を渡すか、説得する必要がある。

自分の装備はどこ?

ホワイトホーンの入り口入ってすぐ右側にある。地下牢の方の入り口ではない。

ボイリングファウンドリーの入り口はどこ?

エレベーターホールのスカイリム出口付近をくまなく探す。困ったときは何を身につけるべき?

メンテナンスの仕方が分からない

青い横長のモニターに診断ツールの杖の攻撃を当てる。必要な処置が表示されるので診断ごとに該当の杖で攻撃。モニターは上層と下層のみ。

採掘後にクエストが進まない

一旦外出て遠い場所(マルカルス等)にファストトラベルする。強制的に連れ去られる。エフェクトが出ても連れ去られない場合は、ラル・モール制御室に行って話を聞くと始まる。

ハンロンの動径でブラーのエフェクトが出て前が見えない

コンソールコマンドのteofisでオフできる。

話が分からん

※個人的な解釈です。ちょっとネタバレ

Michael Kirkbride

TESシリーズの大量のロア(伝承)を担当した人で、TES3モロウィンドの開発中に退社したものの、退社後にもオブリビオンの本を担当したり、公式フォーラムのロア部分とThe
Imerial LibraryでTESロアの怪文書を執筆活動を続けている異例の人。通称MK。ヘイムスカーの演説も彼の文章の一部が使われてます。

TES3モロウィンドのクロックワークシティの部分を土台に、Michael
Kirkbride氏の文章とTrainwiz氏の解釈で話が展開されます。本編ではメデリウ・ハマーという人がわかりやすく話してくれます。あとは内容に関連する本も置いてあります(未訳)

ソーサ・シル

モロウィンドの現人神だった一人。

クロックワークシティにこもって、いそいそと怪しい研究に没頭していたところ同じ現人神のアルマレクシアに殺害されてしまう。もうひとつ、クロックワークシティのことをソーサ・シルと呼ぶのでややこしい。別の名はセート。

クロノグラファーたちはセートの民(Son of Seht)と名乗る。ラル・モールの登場人物はこの人の子であって、この人の事業を引き継いだ人たちです。

シェザール(ショール、ロルカーン、ローカン)

人間の守護神シェザール。シェザールはインペリアル名。ノルド名はショール。ノルドの神々の長でソブンガルデの領主。

ロルカーン(当modではローカン)と同一とも言われる。シロディールでは八代神信仰に取って代わったので信仰が廃れた。

ロルカーンは死んだが、アバターを通じて現れる。アバターはシェザリンと呼ばれる。タロスはロルカーンのアバターなので神なのだが、人かというと怪しい存在なのだとか。

人間の目線

まだ人間がエルフ(アイレイド)の奴隷だったころ…

元々ロルカーンは人の守護神だったが、突然消えてしまった(心臓引っこ抜かれて捨てられた)ので、アレッシアが頼ったのはなんと敵側エルフの主神アーリエル(=アカトシュ)です。

神の庇護やノルドの支援があってエルフからシロディールの主権を勝ちとります。そういう経緯があって宗教は寛容で柔軟にせざるを得なかったので人間とエルフの宗教をうまいこと整合性をつけて作ったのが八大神信仰です。八大神にはロルカーンは入ってないですが、信仰はOKだったのでノルドには根強く人気のある神様です。

サルモールの目的

彼らの思想からみると、エルフはエイドラの末裔で元々は不死の存在でした。ロルカーンによって多くのエイドラがそそのかされてムンダスを作り、この時の出来事がきっかけでエイドラは不死ではなくなってしまいます。彼らの領域エルノフェイの一部がニルンに崩落します。その崩落した部分がエルフの故郷アルドメリ大陸(旧エルノフェイ)となります。

つまりロルカーンのせいで不死でなくなった上に、地上に落ちて縛りつけられていると思ってます。

再び天界(Heaven)に舞い戻る方法は

  1. 神話からタロスを追い出す。タロスの存在が円環の守護者(Wheel of convectionの自分の訳)たちを強化して地上に縛り付けている!
  2. 人間の抹殺
  3. タロスとタロスの子たちの除去によって、ドラゴン(The Dragon=おそらくアカトシュ)がエルフ側のものになり、地上から解放される。

※What appears to be an Altmeri commentary on Talos
タロスは諸悪の根源たるロルカーンの化身となると、そりゃまあ邪魔で憎いわけです。

The Wheels of lullって何?

翻訳では、「ラリアンの円環」または「静界の円環」と訳されています。

メデリウが解説してくれますが、世界を動かしている文字どおりの時計仕掛けの歯車みたいなものです。太陽の軌道や天候の変化などの自然現象などのメカニズムを作ってるようです。これがあるおかげで物質が形を保っていられるのです。

ニルンは設計された世界でThe Wheels of lullは

発案:ロルカーン
設計:マグナス
管理:ソーサ・シル

となっています。このメカニズムの重要な部分が塔(The Towers)です。ちょうど車輪のスポークみたいなイメージだと想像しやすいでしょうか。これがないと回りません。

車輪(Wheel)は文化や規則(メカニズム)の暗喩でもあります。車輪は人間にとっては大発明ですので。

ムンダスの創生のために作られた法則なので元々の創生前の宇宙の法則とはまた違います。サルモール的には「宇宙の法則が乱された」とも言えるでしょう。

詳しくは 白紙の手帳 タムリエルの伝承2 知覚可能な現実を生みだす物について

8つの塔があったが、現在機能しているのはアダマンティアと雪のノド(=世界のノド)のみ。このクエストmodはその雪のノドの観測基地が舞台となります。

ソーサ・シルはThe Wheels of lullを見つけ、そこにクロックワーク・シティを築いて制御してます。もっともソーサ・シル自体は死亡して、彼が作り出したファブリカントによってかろうじて維持してます。

ここで話を戻して、サルモールの目的が成就して、すべての塔が崩壊すると、The Wheels of lullは停止し、ニルンは消滅、エルフは高次元的存在に昇華するのでしょう。この事象がおそらくはランドフォール(LandFall)です。

スカイリムのメインストーリーを思い出してください。「ドラゴンボーンの書」の予言にはこう書かれています。

世界の8ヶ所で悪政が施される時 ※TES1
真鍮の塔が歩み、時間が再形成される時 ※TES2
3度祝福を受けた者が失敗し、紅の塔が揺れる時 ※TES3
ドラゴンボーンの王が王座を失い、白い塔が崩れる時 ※TES4
雪の塔が崩壊し、国王がいなくなり、血が流れる時
世界を喰らう者は目を覚まし、運命の紡ぎ車が最後のドラゴンボーンに向けられる。※TES5

各塔の機能停止の話ですし、運命の紡ぎ車というのは原文The Wheelです。=The Wheel of Lullのこと。まさにこれランドフォールのはじまりなんですよね。

アカトシュの化身たるドラゴンの到来、サルモールの暗躍によるタロス崇拝禁止や人間の抹殺。それを阻止する存在がドヴァキンなのです。

そして、The Wheel of Lullの守護者シェザリンとしてニルンを守る命運を握っています。表の世界でも、裏の世界でも!それゆえにこのクエストmodはまさに裏のメインストーリーと言えます。

Trainwiz氏の深い洞察力とストーリー構築力、たまに出る趣味全開のネタに敬意を表したいです。そして翻訳に関わった方たちにも感謝。

メモ(ネタバレ)

メモリーはソーサ・シルの跡継ぎとして作られた、ソーサ・シル最後の創造物。彼女はエルフ、機械、そして静界の秘術誕生した。ランドフォールが確定で起こるが、彼女がいれば生き残ることはできる。

キンミューンは精神思念体が搭載できるという話から、文字通りメモリの役割で思念体を電子化して搭載できるオートマタなんじゃないかと。そういう意味ではキンミューンみたいな存在の原型かなと。キンミューンはどちらかと言うと掘削機だけども。

直接関わらないけど、サールザルのマグナスの目はやはりキンミューンの閉じ込めてた檻だと思う。ウィンターホールド大学に釘を指すのはたぶんそのため。サイジック会とかも関わってくるし。

ラーヴァドスって結局何者なんだか。見た目完全に機械だけどクエスト概要読むとダンマーらしいので…

ネレヴァリンは生前のソーサシルに接触しようがないから、テルヴァンニ家あたりの人かなにか…?マグナスやロルカーンのアバターと言われてもさほど驚かないキャラ。

メンテナンスの報酬はとてもおもしろいのでぜひクリアしよう。

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コメント

  1. tktk より:

    >名無しさん
    言われてみると、話の構成が似てますね。どこまで考えてやってるのかが分からないのがTrainwiz氏天才性ですね…

  2. 匿名 より:

    >このクエストmodはまさに裏のメインストーリー
    そう言えばクエスト開始が重要キャラとの邂逅だったり、協力者のリーダーが鼻持ちならない奴だったり、サルモールの元に潜入したり、重要なキーアイテムを探してダンジョンにもぐったり、エンディングの場面構成だったり、どことなくバニラのメインクエストと被りますね。実際に作者が意識されているかは分かりませんが。

  3. tktk より:

    >Nicholasさん
    やはりそうでしたか。
    便利そうなので今度使ってみます。
    プレイ動画見てる限りではドッジなしでも行けそうでしたが、シャウトの霊体化はあったほうがいいとは思いますね。

  4. Nicholas より:

    はい。Quick Menusは当方の作となっております。
    御存知頂けていたようで光栄です。
    自プレイに必要な機能を纏めた総合ユーティリティMODですが、
    MOD開発時のテスト用ツールとしても活用頂けているようです。

    ボス戦もさることながら、回避の無敵時間は罠を避ける際にも重宝しました。
    ※あれは「走り抜け」だけで普通にクリアできるのか…?

  5. tktk より:

    >Nicholasさん
    おめでとうございます。
    あの入り口だけは自分も全然分からなくて、相当迷いました。全体的に難易度高いですね。戦闘というよりはギミックで殺しにかかってくる難しさというか。殺人トロッコえげつなかったですね…
    ボス戦なんかはドッジあったほうが楽しめますね。
    そういや、NicholasさんてQuick Menuの作者の方ですか?

  6. Nicholas より:

    遅まきながら、クリアしました!
    ほとんど自力でしたが、ボイリングファウンドリーの入り口だけはヒント見ちゃいました。
    言われれみれば自力で気づいてもおかしくないですが、ちょっと気づかないかなー。
    あと、めちゃくちゃ轢殺されました。まさか、Skyrimで轢殺を味わうとは。
    さすが列車大好き、Trainwiz。トロッコにも愛と殺意を感じました。
    アクション面では、TK Dodgeとの相性も良いですね。
    しかし、耐性相性もあるでしょうが結構難易度というかダメージ率が高かった。。。
    (炎耐性が低い吸血鬼プレイのせいも多分にあるでしょうが)

  7. tktk より:

    >Nicholasさん
    正直初見でとっつきにくいmodだと思うのできっかけになって嬉しいです。
    実際にSFすぎなんですが、元々TES自体SF色強いファンタジーな面もあるよとこの記事で伝えたかったことです。
    楽しんでください。

  8. Nicholas より:

    SFすぎ?と思って、ちょっと敬遠していたのですが、
    この紹介記事を見て、プレイする気になりました。
    まだプレイ中ですが、導入の契機になりました。
    ありがとうございます。

  9. tktk より:

    >fleischmannさん
    解決できたようでよかったです。盾で無敵化を解除できるものだと思えるので、あれはちょっとわかりにくいですよね。

  10. fleischmann より:

    youtubeで動画を発見し解決しました。ダメージは無しで正解なのですね。敵の色が使用する武器と関係しているだろう事は想像ついたのですが。ダメージが入ってくれれば不具合を疑わずにすんだかとも思います。あと「盾」のバッシュで光弾を放てるのは気づかなかったです。お騒がせしました。

  11. tktk より:

    >fleischmannさん
    アーチェロンは基本的に無敵で、例の盾長押しの光線当てるか、ワープ後にオーラみたいな色が変わるので緑だったらクエスト中で拾う剣で攻撃みたいな感じだったと思います。盾のみで行けるかはわからないですけど、クエストで拾ったアイテムのみで攻略可能です。ダメージ受けるわけではないので反応がわかりにくいですが。

  12. fleischmann より:

    アーチェロンにダメージを与えられず詰まっています。(当り判定は有る)世界の最果てで入手できた「それらしい物」は盾のみです。出来ましたら何が必要なのか御教授ください。

  13. 匿名 より:

    つまりバニラにロアって事だな