雑談

ゲーム・アプリに組込めるフォントまとめ

組込み可能フォントまとめ

フリーまたは比較的安い組込み(埋め込み)可能なフォントを厳選して紹介します。

フォントの組込みが必要なインディゲーム開発やアプリ開発、ゲームの有志/プロ翻訳で参考になれば幸いです。ここで取り上げるフォントは商用・同人活動・動画・ポスターでも使用可能なのでその他の方も参考になるはず。変更や間違いもありうるのでライセンスは必ずご自身で確認してください


 

近年、UnityやUnreal Engine4の汎用エンジン普及でインディーゲームが興隆し、フォント組込みの機会が増えた。そして高品質でオープンな「源ノ角ゴシック」の登場によって、オープンフォントの選択肢も増えた。mojimo-gameのような特化し低価格なフォントプランの登場や、Cupheadの手描きフォントが話題になるなどフォントに対する意識の高まりも感じる。

しかし、ゲームやアプリに画像として使用するのはOKでも、フォントを組み込む(埋め込み)となると別途契約や不可の場合がほとんどである。たとえば、フォントワークスのLETSは年間/PC1台につき2万4千円~だが、組込みやチャット入力だと「アプリ・ゲームLETS拡張ライセンス」が必要で追加で年/PC1台につき+1万円、10台以下だと10万円加算される。Adobe CCで使える「Adobe Fonts」は画像には使えるが組み込みは禁止でフォントベンダーと別途契約になる。趣味や同人、インディーのような小規模活動だと利用が難しい。

ありがたいことにオープンライセンスで組込み可能なフォントがいくつかあるのでここで紹介する。

よく使用されるオープンライセンス

埋め込み可能なライセンスは以下の3つが主流です。

SIL Open Font License 1.1

個人/商用問わず無償で使用、改変、組込み可能。

著作権表示とライセンスの明示が必要。フォント単体での販売は不可。改変した場合は著作者に許可なく改変元と同じ名前にしない。このライセンスが付与されたフォントは別のライセンスを適用できない。フォントに特化したオープンライセンス。改変元と同じ名前にしないフォントならではの制限がある。

ライセンス:原文 日本語訳

Apache Licenes 2.0

個人/商用問わず無償で使用、改変、組込み可能。

著作権表示とライセンス使用の明示が必要。フォントはあまり関係ないがコントリビューション(他者の貢献による修正。githubのプルリクエストとか)について当事者が申し出ないかぎりはこのライセンスが適用されることが明記されているため、使いやすいライセンスである。

ライセンス:原文 日本語訳

M+のライセンス

あらゆる利用、商用、改変、再配布、組み込みがOK。

クレジット明記やライセンスの継承もなし。上記2つと違って定められたライセンスではないが、M+(エムプラス)フォントおよびその派生系のフォントに採用されているもの。いかなる使い方でも無保証となる。

選定基準

  • ライセンスが使いやすいかどうか。
  • 文字数。JIS第一・第二水準(6,355字)か5000字程度あればほぼ問題ない。
  • ウェイト(太さ)のバリエーションがあるか。
  • ディスプレイの横書きで読みやすいか。
  • 本文やUIで使いやすいよう癖がなく汎用性があるか。

ゴシック体

ゴシック体はウロコなどの装飾のないもの。ディプレイで読みやすい。

源ノ角ゴシック

源ノ角ゴシック

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

Adobe、Google共同開発のオープンライセンスフォント。日中韓で使われる文字を網羅するSource han sansの中での日本語フォント部分の名称。グーグルでの呼び方はNoto Sans JPだがフォント自体は同じでウェイトの名称が違う。

約18,000字カバー、7ウェイト揃っていて品質も申し分ない。フォント選びで困ったらまずはこれ。ほぼ均一な線の太さでディスプレイで読みやすいフォント。「さ」と「き」が切れ「こ」はハネがないのが特徴的。

「源ノ角ゴシックJapanese (日本語)」からダウンロードできる。同じコンセプトのnoto sans繁体字中国語、簡体字中国語、韓国語、その他ほとんどの言語があるのでローカライズに便利。

ちなみに表示できない文字(四角い豆腐みたいなのが表示される)を無くそう計画でno more tofu、略してnoto。

源瑛ゴシック

源暎ゴシックP

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

「源ノ角ゴシック」をベースにプロポーショナル(自動文字詰め)非対応なソフト向けに予め文字を詰めたフォント。Nが英数字のみ文字詰め、Pはひらがな・カタカナ・記号の文字詰めされている。源ノ角ゴシックの「き」「さ」「こ」など特徴的な部分を変更している。

M+

エムプラス

ライセンス:あらゆる利用、商用、改変、再配布、組み込みがOK。クレジット明記やライセンスの継承もなし。

ライセンスが非常にゆるいため使い勝手がよく派生系が多い。個人制作のフォントだが、7ウェイトで5300字以上対応している。仮名や欧文でいくつかバリエーションがある。モダン系のゴシックでType1は懐が広くて明るい印象。Type2はオールドっぽく若干懐が狭い。バランス良い「1p」がオススメ。

Mgen+

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

M+で足りない漢字を源ノ角ゴシックでカバーしたフォント。約14000文字以上対応。ただしフォントサイズは約5MB程度に増える。M+が約1.5MBなのでM+で間に合うならそれに越したことはない。

Koruri

Koruri

ライセンス:Apache License 2.0

M+1pをベースに欧文を「Open Sans」にしたもの。M+の欧文は癖が強いので、文章中に欧文が含まれる場合はこちらのほうが使い勝手がいい。

明朝体

ウロコなどの装飾があり、横が細く縦が太いスタイル。

源ノ明朝

源ノ明朝

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

源ノ角ゴシックの明朝体版。これもAdobe、Google共同開発。スクリーンでの読みやすさを意識した書体デザインで汎用性が高い。下記の派生系と違ってウェイトが7つある。ダウンロードはJapanese (日本語): ExtraLight + Light + Regular + Medium & SemiBold + Bold + Heavyのふたつ

アプリ明朝

アプリ明朝OLD

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

源ノ明朝を読みやすいよう横線を少し太くウロコや止めを丸くしたもの。墨溜まりを表現したより柔らかい印象のOLD、ウロコが直線のUDのバリエーションがある。源ノ明朝と微妙な違いしかないが、比べると「道」や「百」の横線が濃くなっているのが分かる。ウェイトなし。

しっぽり明朝

しっぽり明朝

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

オールド系で上品な源ノ明朝の派生フォント。名作の五号系活字ベース。ざっくり言うと小説本文らしいフォント。ウェイトなし。

源暎ちくご明朝

源暎ちくご明朝

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

オールド系で「しっぽり明朝」と同じく五号系活字ベースの源ノ明朝の派生フォント。しっぽりと比べると「お」「き」あたりが違い、スッキリした印象。ウェイトなし。

源暎こぶり明朝

源暎こぶり明朝

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

源ノ明朝の雰囲気を残したまま「かな」が小さくなり本文向きになった派生フォント。漢字も少し小さくなったため窮屈にならずゆとりがある。筆押さえありでより小説っぽい雰囲気。ウェイトなし。

丸ゴシック体

文字通りゴシック体を角に当たる部分を丸く処理したもの。

自家製 Rounded M+

自家製RoundedM+1p

ライセンス:M+と同じ

M+の丸ゴシック版。元のM+と同じく7ウェイトでバリエーションが揃っている。懐広いモダンな丸ゴシックで視認性が高い。丸さが3つ選べる。4,972文字収録。

Rounded Mgen+

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

上記自家製 Rounded M+の漢字多い版。源ノ角ゴシックから漢字を足して14000文字以上に対応。ただし約9~10MB程度のサイズになる。

源柔ゴシック

源柔ゴシック

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

源ノ角ゴシックを機械処理で丸ゴシックにしたもの。7ウェイト、丸みの強さが3つ選べる。

源泉フォント

源泉丸ゴシック

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

源柔ゴシックや他のフリーの丸ゴシックフォントと違って、丸ゴシックらしく漢字に「足」がない仕様。7ウェイト。

文字の足

デザイン系

源暎ラテミンP

源暎ラテミンP

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

フリーフォントでは珍しいタイポスの系譜で「フォーク」や「スキップ」(FateGrandOrderの本文で使用されている)に似ている。デザイン性がありながら読みやすく明るくモダンな印象。ラテゴは漢字はゴシック体のまま、ラテミンのほうは漢字を機械処理してデザインに合わせてある。ウェイトはない。

見出し

タイトルや一部アクセント的に使うもの。組み込みではなく画像使用のほうが良い場合もある。

やさしさゴシックボールド

やさしさゴシックボールド

ライセンス:M+と同じ

少し手描き感を残した親しみやすいポップなフォント。ボールドじゃないほうの「やさしさゴシック」はIPAライセンスなので注意。

ロゴたいぷゴシック

ロゴたいぷゴシック

ライセンス:M+と同じ

M+派生で、ロゴデザインやタイトルロゴ、見出し向けの少し柔らかい雰囲気のフォント。

手書き

Kゴシック

Kゴシック

ライセンス:組込み・商用可。フォントファイル自体の改変・複製・再配布・販売禁止。商標登録の禁止。公序良俗や違法行為で使用しない。

手書きフォントは可愛らしいのが多いので性別感薄いのがありがたい。比較的整ってるが手書きらしさとのバランスがよく、少し太いのも読みやすい。収録文字数が多く13,500文字。漢字はJIS第四水準の一部まで対応。文字数多い分容量もある(約9MB)

あずきフォント、うずらフォント

あずきフォント

ライセンス:印刷物、動画、同人誌、ゲーム組み込みOK。フォントデータ自体を配布・販売するのでなければ自由に使用可能。無断での再配布、改変は禁止。クレジット表記は嬉しい(任意)。

かわいすぎない「あずき」とやや丸い「うずら」がある。漢字はJIS第二水準まで含まれる。

きろ字

きろ字

ライセンス:New BSDライセンス。組込み含め使用に制限はなし。著作権表示が必要。

ゆるい雰囲気。第一水準、第二水準、IBM拡張まで対応。

ドットフォント

自家製ドットフォントシリーズ

オープンソースやパブリックドメイン、もしくはフリーフォントを使用条件に基づいてまとめたもの。物によっては商用不可もあるのでライセンスは要確認。ドットフォントはこれで事足りる。

欧文書体

Google Fontsはほとんど「SIL Open Font License 1.1」か「Apache Licenes 2.0」なので組込みに使えます。

Google Fontsのダウンロードの仕方

一覧の+ボタンあるいは個別ページの右上の「SELECT THIS FONT」で追加。

Googleフォントを選ぶ Googleフォントを選ぶ2

 

右下の黒いFamily Selectedという部分をクリックして開く。

選択したGoogleフォントを見る

 

ポップしたウィンドウの右上のダウンロードボタンを押す。

Googleフォントをダウンロードする

サンセリフ体

飾りのない書体

Roboto

Roboto

ライセンス:Apache License 2.0

Google製のAndroidのシステムフォント。ベーシックなデザインでバランスがよく、どんな場所でも馴染む。一行に表示できる文字数が多くて使い勝手がよい。長体にしたRoboto Condensedもオススメ。

Noto Sans

Noto Sans

ライセンス:Apache License 2.0

世界中の言語サポートを目標に作成されたフォントファミリー。欧文のみならず各国の言語で使う文字が含まれローカライズに向いている。Noto Sans KRは韓国語、Noto Sans TCは中国語繁体字、Noto Sans SCは中国語簡体字。xハイトが高くて小さい文字でも読みやすく、和文に混ぜやすい。

Open Sans

Open Sans

ライセンス:Apache License 2.0

ヒューマニスト系フォント。Noto sansにかなり似てるが、gが2階建て。これも小さい字で読みやすい。

Lato

Lato

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

ヒューマニスト系フォント。「Gill Sans」の系譜。字形はOpen Sansに似てるが、Latoのほうは小ぶりで組んでみると印象はだいぶ異なる。品の良さと手書き感を残した温かみのある雰囲気。

Montserrat

Monteserrat

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

平体(横に長い)で太字にすると力強い印象になる。「Gotham」系。

Quicksand

Quicksand

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

丸みを帯びたフォント。かわいらしいがポップすぎない。

セリフ体

飾りがついている書体。

Merriweather

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

Merriweather

ディスプレイでの読みやすさに特化したセリフ書体。xハイトが非常に高く、懐が広く、横線が少し太い。やや長体(縦に長い)。

Libre Baskerville

LibreBaskerville

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

ジョン・バスカヴィルが1750年代に作った書体で、これは1941年American Type Founder版がベース。ディスプレイで読みやすいように調整されている。xハイトが高く、懐が広い、コントラストは控えめ。読みやすさと上品さのバランスがいい。

EB Garamond

EBGaramond

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

16世紀にクロード・ギャラモンが作った活字で非常に有名な書体「Garamond」は派生バリエーションが豊富。これはEgenolff-Berner版のオリジナルを再現しようという試みから生まれた。格調高くトラディショナルな雰囲気。

スラブ体

セリフ体と同じく飾り付きだが、縦横の太さがほぼ同じ。

Roboto Slab

Roboto Slab

ライセンス:Apache License 2.0

Robotoのスラブ体版。

手書き

Kalam

Kalam

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

ディスプレイでの読みやすさの考慮された手書き書体。クセが少なく使いやすい。ハネる感じがちょっとせっかちな印象。

Patrick Hand

Patrick Hand

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

手書きのなかでは比較的読みやすい部類。Kalamに比べると頼りない雰囲気が出ている。

Courgette

Courgette

ライセンス:SIL Open Font License 1.1

手書きというよりはイタリック(斜体)のスクリプト体。ディスプレイの小さい文字でも読みやすいようにハネが短く、手動で文字詰めができない埋め込みに向いている。ちなみにCourgetteはズッキーニのこと。

 

有料フォント

比較的手の届く範囲内での紹介。

mojimo-game

ライセンス:文字入力、組み込み、アウトライン可。

フォントワークスのインディーゲーム支援に特化したフォントパッケージ。フォントベンダーの中では1PC/1ライセンス年間4800円と破格の安さ。12書体と数は多くないが、ゲーム向けに厳選されている。

「UD明朝」、ゲームで採用例が多い「ニューロダン」「UD丸ゴ」とモダンでベーシックな書体は2ウェイト揃っている。オールド系の「セザンヌ」、デザイン系の「ハミング-M」、「スキップ-M」、インパクト重視の「コミックレゲエ」等の少しひねりのあるフォントも収録。フリーフォントに少ない読みやすさ重視したユニバーサルデザイン系や本文に使えるものが揃ってるため補完しやすい。

タイプラボ

ライセンス:組込みは別途購入。

タイプラボのフォントは組込み権を別途購入する形になる。総合書体だと+3万円、かな書体は+1万円。ゲームのシリーズや違うハードへの移植でもまとめて1ライセンスとして扱われるため良心的。期限や追加料金はない。

フォント自体も無料お試し版がある。1ウェイト単位で1500円~買える。TVのテロップでよく使われ、レトロな雰囲気のフォントが多い。ルイカ・ニタラゴルイカあたりはゲームでも使いやすいはず。

フロップデザイン

製品版は商用とゲームでの使用可能。物によってライセンスが微妙に違うので要確認。一部のフリーフォントはIPAライセンスだったりする。無料版があるので試しやすい。かわいい雰囲気のフォントが多い。

よく訓練されたフォント屋

ゲームへの組込み可だが、再利用できる形の場合は再配布禁止の旨を記載する必要がある。500円~3000円。漢字が少ない無料お試し版がある。手書き系のものが多い。

選定除外

用途に合わない、漢字が足りない、規約が面倒などの理由で推薦しないもの。

IPAフォント派生→規約上使いにくいので除外。テキスト入力がある場合は、オリジナルのIPAフォントに置き換え可能にしなければならない規約がある。源ノベースのほうが品質はいいし今はIPAを使う理由がない。IPA派生の該当:「こころ明朝体」「はんなり明朝」「はれのそら明朝」「うつくし明朝体」「やさしさゴシック

しねきゃぷしょん(webアーカイブにあるv2.28が最新)→映画字幕風フォント。商用可、再配布可。フォントそのものの改造・著作権表示の改変は禁止。組込みに関して明記がないが問題ないはず、自己責任で。問題は収録漢字数。漢字は3778文字程で、字幕表示に使うには心もとない。そして改変禁止なので他で補えない。

ほのかフォント – フリーフォントでオールド系のゴシック体があるのは珍しい。しかし、ベースの源ノ角自体はモダン系で、かなと漢字の大きさに差がありすぎてチグハグ感があり組込みには不向き。源ノ角派生なのでApacheライセンス。

錦源明朝→細くてディスプレイには不向き。用途に合わない。

花園明朝→ライセンスは問題ないが収録文字数が多すぎてファイルサイズが大きい。組込みには不向き。

フォント配布サイトリンク

MODI工場 – 一風変わったフォントが多い。ライセンスが非常にゆるく組込み可。

自家製フォント工房 – Mgen+や源柔ゴシックなどの配布サイト

御琥祢屋 – 源暎フォントシリーズのサイト。

武蔵システムのフォント – 完全フリーで使用改変に制限なし。書家の青柳先生の毛筆フォント集。収録文字数はばらつきあるがJIS第二水準はある。青柳衡山フォントTのみ第一水準。「柳隷書しも」のみライスセンスはゆるいが再配布に制限がある。

フォントな – 「やさしさゴシックボールド」「ロゴたいぷゴシック」の配布サイト。にくまるやラノベPOPなども組込み可。「ふぉんとうは怖い明朝体」など一部IPAライセンスなので注意。