フリーまたは比較的安い組込み(埋め込み)可能なフォントを厳選して紹介します。
フォントの組込みが必要なインディゲーム開発やアプリ開発、ゲームの有志/プロ翻訳で参考になれば幸いです。ここで取り上げるフォントは商用・同人活動・動画・ポスターでも使用可能なのでその他の方も参考になるはずです。変更や間違いもありうるのでライセンスは必ずご自身で確認してください。
ゲームやアプリでフォントを使う場合は、組込み(埋め込み)と画像として使用する2つの使い方があります。
ほとんどのフォントはゲームやアプリに画像として使用するのはOKでも、組込むとなると別途契約が必要だったり許可されていません。
たとえば、フォントワークスの「LETS」は年間/PC1台につき2万4千円~ですが、組込みやチャット入力の場合だと「アプリ・ゲームLETS拡張ライセンス」が必要で年/PC1台につき+1万円、10台以下だと+10万円加算されます。
Adobe CCで使える「Adobe Fonts」は画像には使えますが、組み込みは禁止でフォントベンダーと別途契約が必要です。趣味や同人、インディーのような小規模活動だと組込み利用が難しいのです。
ありがたいことにオープンライセンスで組込み可能なフォントがいくつかあるのでここで紹介します。
よく使用されるフォントのオープンライセンス
埋め込み可能なライセンスは以下の3つが主流です。
SIL Open Font License 1.1
個人/商用問わず無償で使用、改変、組込み可能。
- 著作権表示とライセンスの明示が必要。
- フォント単体での販売は不可。
- 改変した場合は著作者に許可なく改変元と同じ名前にしない。
- このライセンスが付与されたフォントは別のライセンスを適用できない。
フォントに特化したオープンライセンス。改変元と同じ名前にしないフォントならではの制限があります。
Apache Licenes 2.0
個人/商用問わず無償で使用、改変、組込み可能。
- 著作権表示とライセンス使用の明示が必要。
フォントはあまり関係ないですがコントリビューション(他者の貢献による修正。githubのプルリクエストとか)について当事者が申し出ないかぎりはこのライセンスが適用されることが明記されているため、使いやすいライセンスです。
M+のライセンス
あらゆる利用、商用、改変、再配布、組み込みがOK。
- クレジット明記やライセンスの継承もなし。
- いかなる使い方でも無保証。
上記2つと違って定められたライセンスではありませんが、M+(エムプラス)フォント、梅ゴシック、それらの派生系フォントに採用されているもの。
選定基準
- ライセンスが使いやすいかどうか
- ウェイト(太さ)のバリエーションがあるか?*
- ディスプレイの横書きで読みやすいか?*
- 収録文字数が充分か?*
- 視覚補正などが施され品質が高いか?
*ただし、UIなどでアクセントとして見出し的な使用の場合は、デザインに合っているかが優先されるため例外です。
ゴシック体
ゴシック体は線がほぼ均一で視認性が高いのが特徴です。文字が潰れにくいためディスプレイ表示にも向いています。逆に小説のような長文の場合は、均質なため目が滑りやすくて向いてません。
源ノ角ゴシック
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
Adobe、Google共同開発のオープンライセンスフォント。約18,000字カバー、7ウェイト揃っていて品質も申し分ないです。
フォント選びで困ったらまずはこれ。ほぼ均一な線の太さでディスプレイで読みやすく、長文にもインターフェイスにも適しています。「さ」と「き」が切れ「こ」はハネがないのが特徴的。
すっきりしたモダン系のゴシック体ですが、骨格はクラシックな手書き要素が残っていてニュートラルな印象の中に上品さがあります。
源ノ角ゴシックは日中韓で使われる文字を網羅するSource han sansの中での日本語フォント部分の名称です。グーグルでの呼び方はNoto Sans JPですがフォント自体は同じでウェイトの名称が違います。
「源ノ角ゴシックJapanese (日本語)」からダウンロードできます。同じコンセプトのnoto sansは繁体字中国語、簡体字中国語、韓国語、その他ほとんどの言語があるのでローカライズでも統一感があり便利です。
ちなみに表示できない文字(四角い豆腐みたいなのが表示される)を無くそう計画でno more tofu、略してnoto。
源瑛ゴシック
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
「源ノ角ゴシック」をベースにプロポーショナル(自動文字詰め)非対応なソフト向けに予め文字を詰めたフォント。Nが英数字のみ文字詰め、Pはひらがな・カタカナ・記号の文字詰めされています。源ノ角ゴシックの「き」「さ」「こ」など特徴的な部分を変更されています。
LINE Seed JP
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
LINEが作ったフォントです。角が丸いですが丸ゴシックほどではなく、フトコロも広く、柔らかく親しみやすい印象です。従属欧文(アルファベットと数字)はジオメトリック系でやや幅広、従属欧文にありがちな貧相さがなくて使いやすいと思います。
制作にフォントワークスが関わっていて、フォントワークスの代表作「ロダン」の系譜を感じさせます。ロダンはドラクエ、モンハン、ポケモン、どうぶつの森などでも使われており、ゲームには馴染み深いフォントです。親しみやすい雰囲気がゲームと相性いいのでしょう。
4種類のウェイトがありますが、特筆すべきは一番太いExtra Boldの太さです。
源ノ角ゴシックの一番太いHeavyより、創英角ポップ体より太いです。インパクトとポップさがあって勢いや迫力が欲しい場面で使いやすそうです。
M+
ライセンス:あらゆる利用、商用、改変、再配布、組み込みがOK。クレジット明記やライセンスの継承もなし。
ライセンスが非常にゆるいため使い勝手がよく派生系が多いです。個人制作のフォントで、7ウェイトで5300字以上対応。
仮名や欧文でいくつかバリエーションがあります。モダン系のゴシックでType1はフトコロが広くて明るい印象。Type2はオールドっぽく若干フトコロが狭い。バランスの良い「1p」がオススメ。
源ノ角ゴシックが信頼、中庸、フラットな印象に対して、M+は明るい、未来的、かわいい印象を与えます。
Koruri
ライセンス:Apache License 2.0
M+1pをベースに欧文を「Open Sans」にしたもの。M+の従属欧文は癖が強いので、文章中に欧文が含まれる場合はこちらのほうが使い勝手がいいです。
Mgen+
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
M+で足りない漢字を源ノ角ゴシックでカバーしたフォント。約14000文字以上対応。ただしフォントサイズは約5MB程度に増えます。M+が約1.5MBなのでM+で間に合うならそれに越したことはないです。
IBM Plex Sans JP
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
IBMが提供するオープンラインスフォントです。noto sansと同じく世界各国の言語版が作られています。
フトコロが広く明るいモダンな印象で、「き」「ふ」「な」など交差する部分が細くなる隅取り(スミトリ)処理がデザインとして取り入れられているのが特徴です。小さい文字でも読みやすい。
ダウンロードしたフォルダのhintedはヒンティング情報のことで、文字サイズが小さいときや解像度が低い場合の表示最適化をします。この機能が不要ならunhintedのフォルダに入ってるものを使ってください。
BIZ UDPゴシック
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
あらゆる状況や誰しもにとっての読みやすさが考慮されたユニバーサルデザインのフォントです。ビジネスの名前通りオフィスソフトの文章に向いてるもので、無機質な印象があります。レギュラーとボールドの2ウェイトです。
従属欧文は日本語に合わせて変形が強いので、欧文主体の場合は別の欧文フォントを指定しましょう。
オープンライセンスのゴシック体5種の比較
源ノ角ゴシックは「あ」「お」などは手描き名残りの骨格をもっており端正。例文みたいな情緒感のある本文に向いてます。
LINE Seed JPは「た」などが丸くかわいらしい一方、「す」「る」の丸い部分は小さめでかわいすぎない塩梅。「夏」「草」の日の部分が横長。やはりゲームのテキストっぽさがあります。
IBM Plex Sansは源ノ角ゴシックとM+の中間ぐらいの印象。かなの字面が源ノ角より大きく(「そ」を比べると分かりやすい)、小さい文字でも読みやすいです。
M+はフトコロが広くて明るくポップな印象。
BIZ UDPゴシックは、無機質ですっきりした印象。
大きめに表示するとIBMは「き」の隅取りの部分が目立ち、好みが分かれそうです。源ノ角もIBMも「あ」「お」「た」などの横線が若干右上がりで手書きのニュアンスが残ってます。いっぽうLINEやM+やBIZはまっすぐで記号っぽさがあります。
明朝体
明朝体とは横線が細く、縦線が太いスタイルです。うろこと呼ばれる三角形の装飾やトメ・はらいなどの筆運びがあります。可読性が高く長文に適していていますが、遠くからの視認性が低いです。解像度の関係で潰れやすくてスクリーンの表示に適さないケースもあります。
源ノ明朝
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
源ノ角ゴシックの明朝体版です。スクリーンでの読みやすさを意識した書体デザインでバランスが良く汎用性が高いです。ウェイトは7つダウンロードはJapanese (日本語): ExtraLight + Light + Regular + Medium & SemiBold + Bold + Heavyのふたつ
BIZ UDP 明朝
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
あらゆる状況下で誰にでも読みやすいユニバーサルデザインが考慮されており、フリーライセンスの組み込み可能フォントの中で一番読みやすい明朝体です。
明朝体はディスプレイ表示時に横線が細くてかすれやすくて読みにくい問題があるのですが、このフォントはかすれないです。
ただし、従属欧文は日本語に合わせて変形が強くて(gがわかりやすい)いまいちなので、欧文主体の部分はフォント変えるなどをおすすめします。
ウェイトは1つで、UDは等幅でUDPが自動文字詰め設定してあるほうなのでUDPを使いましょう。
アプリ明朝
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
源ノ明朝を読みやすいよう横線を少し太くウロコや止めを丸くしたもの。墨溜まりを表現したより柔らかい印象のOLD、ウロコが直線のUDのバリエーションがある。源ノ明朝と微妙な違いしかないが、比べると「道」や「百」の横線が濃くなっているのが分かります。ウェイトなし。
しっぽり明朝
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
オールド系で上品な源ノ明朝の派生フォント。名作の五号系活字ベース。ざっくり言うと小説本文らしいフォント。ウェイトなし。
源暎ちくご明朝
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
オールド系で「しっぽり明朝」と同じく五号系活字ベースの源ノ明朝の派生フォント。しっぽりと比べると「お」「き」あたりが違い、スッキリした印象。ウェイトなし。
はんなり明朝
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
漢字は源ノ明朝を角丸処理したもので、ひらがなは墨だまりがあり柔らかい印象。現在は1ウェイトのみだが、太字版も公開される予定。明朝体のなかでは手書きっぽさが強いのでインゲームの手紙や書籍に合うかもしれません。
丸ゴシック体
文字通りゴシック体を角に当たる部分を丸く処理したものです。柔らかい・親しみやすい印象になります。
自家製 Rounded M+
ライセンス:M+と同じ
M+の丸ゴシック版。元のM+と同じく7ウェイトでバリエーションが揃っています。懐広いモダンな丸ゴシックで視認性が高い。丸さが3つ選べます。4,972文字収録。
Rounded Mgen+
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
上記自家製 Rounded M+の漢字多い版。源ノ角ゴシックから漢字を足して14000文字以上に対応。ただし約9~10MB程度のサイズです。
源柔ゴシック
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
源ノ角ゴシックを機械処理で丸ゴシックにしたもの。7ウェイト、丸みの強さが3つ選べます。
源泉フォント
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
源柔ゴシックや他のフリーの丸ゴシックフォントと違って、丸ゴシックらしく漢字に「足」がない仕様。7ウェイト。
デザイン書体
デザイン書体とはゴシック体や明朝体に属さないデザイン性の高い書体です。
源暎ラテミンP
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
フリーフォントでは珍しいタイポスの系譜で「フォーク」や「スキップ」(FateGrandOrderの本文で使用されている)に似ています。デザイン性がありながら読みやすく明るくモダンな印象。ラテゴは漢字はゴシック体のまま、ラテミンのほうは漢字を機械処理してデザインに合わせてあります。ウェイトはありません。
ロゴたいぷゴシック
ライセンス:M+と同じライセンス(自由・無保証)
M+派生で少し柔らかい雰囲気。クセが少なく本文に使えます。
やさしさゴシックボールドv2
ライセンス:M+と同じライセンス(自由・無保証)
約8800字収録。M+派生で少し手描き感を残した親しみやすいポップなフォント。比較的クセがないので本文にも向いてます。
見出し・その他
タイトルやUIの一部にアクセント的に使うもの。サイト別に掲載します。
フォントワークス
フォント制作会社のフォントワークスの有償フォントのオープンライセンス版8書体が配布されています。いずれもライセンスはSIL Open Font License 1.1です。
ダウンロードの仕方
- ダウンロードするフォントのGithubページを開く。
- 「fonts/ttf」をクリック
- ダウンロードしたい「~.ttf」をクリック
- 右側にある「Download」ボタンを押す
クレーセミボールド
鉛筆やペンで描いたような硬質さが魅力です。楷書体や教科書体より手書き感がありますが、癖もなく本文にも向いています。セミボールドより少し細いレギュラーも配布されています。
ステッキ
名称どおり直線的な構成の書体。ゲームでアクセントとしてよく使われます。
ロックンロール
フォントワークスの代表作「ロダン」ベースのポップな書体。丸が特徴的。
レゲエ
こちらもロダンベースの躍動感のある書体。
その他
他には「トレイン(レイルウェイ)」「ランパート」「ドットゴシック16」があります。使いどころが難しいので紹介はしません。
フォントな(フロップデザイン)
ラノベPOPv2
ライセンス:M+
M+派生。1ウェイト。約10000字収録。
装甲明朝
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
源ノ明朝派生。1ウェイト。
限界明朝
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
源ノ明朝派生。1ウェイト。22MBと重いので文字を減らすか画像化推奨。
もじワク研究
以下のもじワク研究のフォントはすべてもじワク研究のライセンス(ゲームアプリ組込み可、ただし再配布不可)
マメロン
約6600字収録。
マキナス 4
9,354字収録。
トガリテ
約6000字収録。
廻想体
約3700字収録。
MODI工場
黒薔薇ゴシック
ライセンス:M+
M+派生。7ウェイト。
木漏れ日ゴシック
ライセンス:M+
梅ゴシック派生。1ウェイト。
デラゴシック
ライセンス:SIL Open Font License Version 1.1
インパクトのある極太ゴシック体です。JIS第三水準の漢字を収録。
手書き
Kゴシック
ライセンス:組込み・商用可。フォントファイル自体の改変・複製・再配布・販売禁止。商標登録の禁止。公序良俗や違法行為で使用しない。
手書きフォントは可愛らしいのが多いので性別感薄いのが特徴的。比較的整っていますが手書きらしさとのバランスがよく、少し太いのも読みやすいです。収録文字数は13,500文字。漢字はJIS第四水準の一部まで対応。文字数多い分容量があります(約9MB)
あずきフォント、うずらフォント
ライセンス:印刷物、動画、同人誌、ゲーム組み込みOK。フォントデータ自体を配布・販売するのでなければ自由に使用可能。無断での再配布、改変は禁止。クレジット表記は嬉しい(任意)。
かわいすぎない「あずき」とやや丸い「うずら」があります。漢字はJIS第二水準まで含まれます。
きろ字
ライセンス:New BSDライセンス。組込み含め使用に制限はなし。著作権表示が必要。
ゆるい雰囲気。第一水準、第二水準、IBM拡張まで対応。
ドットフォント
自家製ドットフォントシリーズ
オープンソースやパブリックドメイン、もしくはフリーフォントを使用条件に基づいてまとめたもの。物によっては商用不可もあるのでライセンスは要確認。ドットフォントはこれで事足ります。
欧文書体
欧文書体はローマ字を使った書体のことです。日本語フォントに付属する従属欧文は日本語に合わせるため無理やり形を変えるためにクオリティがいまいちな場合が多いです。単独の英数字の場合は欧文書体を使いましょう。
Google Fontsはほとんど「SIL Open Font License 1.1」か「Apache Licenes 2.0」なので組込みに使えます。
Google Fontsのダウンロードの仕方
まずはGoogle Fontsのサイトでフォントを検索してダウンロードしたいフォントを選びます。
次に右上の「Download Family」を押すとダウンロードが始まります。
ダウンロードした圧縮ファイルを展開し、フォントをインストールしましょう。
サンセリフ体
太さがほぼ均一で飾りのない書体
Roboto
ライセンス:Apache License 2.0
Google製のAndroidのシステムフォント。6ウェイト、斜体あり。ベーシックなデザインでバランスがよく、どんな場所でも馴染みます。また、一行に表示できる文字数が多くて使い勝手がいいです。長体にしたRoboto Condensedもオススメ。
Noto Sans
ライセンス:Apache License 2.0
世界中の言語サポートを目標に作成されたフォントファミリー。2ウェイト、斜体あり。欧文のみならず各国の言語で使う文字が含まれローカライズに向いています。Noto Sans KRは韓国語、Noto Sans TCは中国語繁体字、Noto Sans SCは中国語簡体字。xハイトが高くて小さい文字でも読みやすく、和文に混ぜやすいです。
Open Sans
ライセンス:Apache License 2.0
ヒューマニスト系フォント。5ウェイト、斜体あり。Noto sansにかなり似ていますが、gが2階建て。これも小さい字で読みやすいです。
Lato
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
ヒューマニスト系フォント。「Gill Sans」の系譜。5ウェイト、斜体あり。字形はOpen Sansに似ていますが、Latoのほうは小ぶりで組んでみると印象はだいぶ異なります。品の良さと手書き感を残した温かみのある雰囲気。
Montserrat
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
平体(横に長い)で太字にすると力強い印象があります。9ウェイト、斜体あり。「Gotham」系。
Quicksand
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
丸みを帯びたフォント。5ウェイト。かわいらしいがポップすぎない。
Oswald
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
長体のサンセリフ。6ウェイト。「Alternate Gothic」の系譜。
Questrial
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
幾何学的なジオメトリック系のフォント。1ウェイト。「Futura」や「Avenir」の系譜。
Aldrich
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
直線主体でメカニカル・近未来的な雰囲気にあうフォント。1ウェイト。「Bank Gothic」の系譜。
セリフ体
飾り(セリフ)がついている書体。ローマン体とも言います。
Merriweather
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
ディスプレイでの読みやすさに特化したセリフ書体。xハイトが非常に高く、懐が広く、横線が少し太い。やや長体(縦に長い)。
Libre Baskerville
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
ジョン・バスカヴィルが1750年代に作った書体で、これは1941年American Type Founder版がベース。ディスプレイで読みやすいように調整されています。xハイトが高く、懐が広い、コントラストは控えめ。読みやすさと上品さのバランスがよいです。
EB Garamond
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
16世紀にクロード・ギャラモンが作った活字の「Garamond」は派生バリエーションが豊富です。これはEgenolff-Berner版のオリジナルを再現しようという試みから生まれました。格調高くトラディショナルな雰囲気。
Prata
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
横線が細くエレガントで高級感のあるスタイル。「Didot」の系譜。
Smythe
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
19世紀末~20世紀初頭にかけてのアーツ・アンド・クラフツ運動やアールデコなどの影響を受けた装飾性の強いフォントを再構築したもの。ティム・バートン風。
スラブ体
セリフ体と同じく飾り付きですが、縦横の太さがほぼ同じです。
Roboto Slab
ライセンス:Apache License 2.0
Robotoのスラブ体版。癖がなく使いやすいです。
Ultra
ライセンス:Apache License 2.0
極太で力強くレトロな雰囲気があります。
手書き
Kalam
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
ディスプレイでの読みやすさの考慮された手書き書体。クセが少なく使いやすいです。ハネる感じがちょっとせっかちな印象。
Patrick Hand
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
手書きのなかでは比較的読みやすい部類。Kalamに比べると頼りない雰囲気が出ています。
Courgette
ライセンス:SIL Open Font License 1.1
手書きというよりはイタリック(斜体)のスクリプト体。ディスプレイの小さい文字でも読みやすいようにハネが短く、手動で文字詰めができない埋め込みに向いています。ちなみにCourgetteはズッキーニのこと。
有料フォント
比較的手の届く範囲内で紹介します。
mojimo-game
ライセンス:文字入力、組み込み、アウトライン可。
フォントワークスのインディーゲーム支援に特化したフォントパッケージです。フォントベンダーの中では1PC/1ライセンス年間4800円と破格の安さ。12書体と数は多くないですが、ゲーム向けに厳選されています。
「UD明朝」、ゲームで採用例が多い「ニューロダン」「UD丸ゴ」とモダンでベーシックな書体は2ウェイト揃っています。オールド系の「セザンヌ」、デザイン系の「ハミング-M」、「スキップ-M」、インパクト重視の「コミックレゲエ」等の少しひねりのあるフォントも収録。フリーフォントに少ない読みやすさを重視したユニバーサルデザイン系や本文に使えるものが揃ってるため、補完しやすい点も優れています。
タイプラボ
ライセンス:組込みは別途購入。
タイプラボのフォントは組込み権を別途購入する形になります。総合書体だと+3万円、かな書体は+1万円。ゲームのシリーズや違うハードへの移植でもまとめて1ライセンスとして扱われるため良心的です。期限や追加料金はありません。
フォント自体も無料お試し版があります。1ウェイト単位で1500円~買えます。TVのテロップでよく使われ、レトロな雰囲気のフォントが多いです。ルイカ・ニタラゴルイカあたりはゲームでも使いやすいでしょう。どうぶつの森やリングフィットアドベンチャーで採用されています。
フロップデザイン
製品版は商用とゲームでの使用可能と書いてあるのですが、どうやら大半は埋め込み不可です。物によってライセンスが微妙に違うので確認してください。一部のフリーフォントはIPAライセンスだったりします。かわいい雰囲気のフォントが多いです。
よく訓練されたフォント屋
ゲームへの組込み可ですが、再利用できる形の場合は再配布禁止の旨を記載する必要があります。500円~3000円。漢字が少ない無料お試し版があります。手書き系のものが多い。
選定除外
用途に合わない、漢字が足りない、規約が面倒などの理由で推薦しないもの。
IPAフォント派生:規約上使いにくいので除外。テキスト入力がある場合は、オリジナルのIPAフォントに置き換え可能にしなければならない規約があります。源ノ角ベースのほうが品質はいいし今はIPAを使う理由がありません。
IPA派生の該当:「こころ明朝体」「はれのそら明朝」「うつくし明朝体」「やさしさゴシック」
しねきゃぷしょん:映画字幕風フォント。webアーカイブにあるv2.28が最新。商用可、再配布可。フォントそのものの改造・著作権表示の改変は禁止。組込みに関して明記がないですが、問題ないはずです。あくまで自己責任で。問題は収録漢字数で、漢字は3778文字程で字幕表示に使うには心もとなく、改変禁止なので他のフォントで補えません。
ほのかフォント:フリーフォントに珍しいオールド系のゴシック体。しかし、ベースの源ノ角自体はモダン系で、かなと漢字の大きさに差がありすぎてチグハグ感があり組込みには不向き。源ノ角派生でApacheライセンス。
コーポレート・ロゴ:見出し向きのデザインですが、見出しはかなと漢字の差がないほうがよいのでやや使いにくいです。一部の文字のクオリティが気になります。源ノ角、源ノ明朝系でSIL Open Font License 1.1。
錦源明朝:細くてディスプレイには不向き。
花園明朝:ライセンスは問題ないですが収録文字数が多すぎてファイルサイズが大きい。組込みには不向き。
梅ゴシック:M+と同じライセンスで改変・再配布自由な代わりに無保証。クオリティの面で源ノ角かM+を使ったほうがいいので除外。
フォント配布サイトリンク
MODI工場 – 一風変わったフォントが多い。ライセンスが非常にゆるく組込み可。
自家製フォント工房 – Mgen+や源柔ゴシックなどの配布サイト
御琥祢屋 – 源暎フォントシリーズのサイト。
武蔵システムのフォント – 完全フリーで使用改変に制限なし。書家の青柳先生の毛筆フォント集。収録文字数はばらつきがありますが大抵はJIS第二水準はあります。青柳衡山フォントTのみ第一水準。「柳隷書しも」のみライスセンスはゆるいが再配布に制限があります。
フォントな – 「やさしさゴシックボールド」「ロゴたいぷゴシック」の配布サイト。にくまるやラノベPOPなども組込み可。「ふぉんとうは怖い明朝体」など一部IPAライセンスなので注意。
いつもお世話になっています。
スカイリムではFutura、IPAにお世話になりました。
フォントは必要になるたびに検索してる、比較があるといいですね。
管理はnexusfontがオススメです。